風景写真を撮る際に、PLフィルターは必需品です。
この記事では、PLフィルターの選び方や効果、種類などを紹介していきます。
そもそもPLフィルターってどんな効果があるの?

PLフィルターとは、被写体の不要な光の反射を抑えて、本来の鮮やかさを出すことができます。
水面などの映り込みをなくしたり(偏光効果)、空の青さを濃くする、葉っぱの色を鮮やかにしたりしたいときなど風景写真を撮る時によく利用します。
PLフィルターには多少の減光効果もあるので、NDフィルターがない時に代用するのも可能です。
PLフィルターには2種類あります
- PLフィルター
- C-PLフィルター
PLフィルターには、この2種類が存在します。
ただのPLフィルターの場合は、偏光の強さを変えることはできず、一定の偏光効果しかありません。
また、普通のPLフィルターだと、AFのピントが正常に合わなくなるため、AF機能があるカメラではしようできません。
C‐PLフィルター(サーキュラーPLフィルター)は、ガラス+偏光膜+1/4λ位相差板+ガラスとなっており、1/4λ位相差板がカメラのハーフミラーやローパスフィルターなどに干渉しないようになっています。
これにより、C‐PLフィルターはAFのカメラでも使用できるようになっています。
C‐PLフィルターは、回転させることで偏光度合いを変えることも可能です。
なので、基本的にC‐PLフィルターを選んでおけば問題ないですよ。
C‐PLフィルターを購入する時に押さえておきたい3つのポイント
- フィルター径
- 厚さ
- 反射率
PLフィルターを選ぶ際に押さえておきたいポイントは、この4つです。
フィルター径と厚さは、フィルター全般で言えることなのでしっかりと覚えておきましょう。
レンズに合ったフィルターを選ぶこと
フィルターにはサイズがあり、カメラレンズに合ったものを選ぶことが大事です。
カメラレンズの径が37mmなら37mmのレンズフィルターを、55mmなら55mmのフィルターを選ぶようにしましょう。
径があっていないとはめることができないので、絶対に間違っちゃいけませんよ。
レンズフィルターをできるだけ減らしたい場合は、一番大きな口径のレンズに合わせると、ステップアップリングを利用することで小さい口径のレンズにも合わせることができます。
フィルターの厚さに注意すること
望遠レンズを使う時はそこまで気にしなくてもいいですが、超広角レンズを使用する際にはPLフィルターの厚さにも注意することが必要です。
PLフィルターはレンズを二枚重ねているので、ある程度の高さがあります。
超広角レンズを使うと、PLフィルターの枠が写って画像の角が欠けてしまうことがあります(ケラレ)。
そうなってしまうと思っていた写真を撮ることができないので、超広角レンズを利用することも考えて、PLフィルターは薄枠モデルのものを選ぶようにしましょう。
できるだけレンズ面の反射率の低いもの選ぶこと
C‐PLフィルターは2枚のレンズを利用しているので、フィルターがあるとフレアやゴーストの現象が起こりやすくなります。
フィルターを着けている時に、できるだけフレアやゴーストを抑えたい場合は、反射率の低いものを選ぶことが大切です。
1%くらいの反射率が普通で、0.6とかなどだと低反射と言えます。
購入するときは、予算に余裕があればできるだけ低反射のフィルターを選ぶようにしましょう。
C‐PLフィルターの使い方は回転させるだけです
C‐PLフィルターを使う場合は、回転させて偏光度合いをちょうどいいように調整するだけです。
偏光効果が最大の所から90度動かすと効果が最小になり、さらに90度動かすと最大になります。
要するに、90度変化するごとに偏光効果が最大⇒最小⇒最大⇒最小と変化しますよ。
これで、偏光効果が最大になれば、反射も最大限取り除かれます。
また、反対に偏光効果を最小にした場合は、反射を増やすことも可能です。
C‐PLフィルターを使う場合は、自分がイメージにできるだけ近づけられるようにしましょう。
C‐PLフィルターはこのようなシーンで使います
- 自然・緑
- 紅葉
- 空
- 水面・ガラス面
- 虹
C‐PLフィルターは、このような撮影シーンで効果を発揮します。
それでは、どのような効果が簡単に説明していきます。
自然・緑の本来の色を出すことが可能
自然や緑などの写真を撮ると、光の反射で白く写ってしまいます。
PLフィルターを使うことで光の反射を除去し、自然の本来の色を表現することが可能です。
紅葉の光の反射を除去し鮮やかにする
PLフィルターなしに紅葉を撮ると、くすんだ感じの色合いになります。
しかし、PLフィルターを使うことで、反射が抑えられ紅葉の鮮やかさがはっきりします。
空の青を濃くすることができる
PLフィルターを使うと、空の色をより青くすることができます。
その際には、太陽を背にして太陽とカメラの角度が90度になる場所が一番効果があると言われています。
水面やガラス面の反射を抑えて中を見ることができる
PLフィルターは、水面の反射を抑えてくれるので、水中の中も写すことが可能です。
その際には、反射面から斜め30〜40度の角度から撮ると、効果が最大限発揮されます。
しかし、正面から撮る場合は効果がないので気を付けなければいけません。
虹をくっきり写すことができる
虹をそのまま写真に撮ると、ぼやけた感じになってしまいます。
その際にPLフィルターでくっきり写るように偏光効果を調整することで、よりはっきりと虹が写るようになります。
PLフィルターを利用する際の注意点
- 消耗品
- フードがあると使いにくい
- ケラレ
PLフィルターを使う際には、このようなことに注意する必要がります。
消耗品であるので劣化します
PLフィルターは、消耗品です。
そのため経年劣化するので、5年以上経ったら買い替えを考える必要が出てくるので注意しましょう。
フードがあると使いにくいです
PLフィルターはレンズの先端に取り付けるため、レンズフードがあると操作しにくいです。
なので、レンズフードを外した状態で操作して調整し、それからレンズフードを付けるようにしましょう。
ケラレに注意しましょう
最初の方でも話しましたが、超広角レンズでレンズフィルターを使用するとケラレが発生することがあります。
それを避けるためには、薄枠モデルのフィルターを使うようにしましょう。
おすすめのPLフィルターを紹介します
PLフィルターを選ぶので迷ったら、ケンコー・ハクバ・マルミのものを選ぶようにしましょう。
これらのメーカーのものは海外製とは違い、安心して利用できるので、ケンコー・ハクバ・マルミの3つのメーカーは覚えておきましょう。
初めてPLフィルターを使う場合は、安いものを買ってどのような効果があるのか体験してみるのもいいですよ。
口径が大きくなるほど高額になるので、58mmくらいのものであれば安いものなら2000円位でも購入できます。
値段はある程度しても、薄枠やコーティングなどもしっかりしているのが良いという人は、こちらの商品もおすすめですよ。
また、PLフィルターだけじゃなくNDフィルターやプロテクトフィルターなども増えてくると、フィルターケースもあると便利です。
複数枚入るものだと、持ち運びも便利でいいですよ。
PLフィルターの選び方:まとめ
PLフィルターは、厚さや反射率なども考えて購入するのが良いです。
また、必ずしも反射の除去を最大限にしなければいけないわけじゃなく、適度なところで押さえることも必要ですよ。
最大限に反射を除去してしまうとのっぺりした感じになってしまうこともあるので、注意しましょう。
また、こちらの記事でNDフィルターに関して説明しているので、NDの購入を考えている人はこちらの記事も参考にしてください。
