レザークラフトをする際は、コバや床面をしっかりと処理をすることで、耐久性や見た目が良くなります。
作った作品を長く使用するためにも、床面処理やコバ磨きしなくてはいけない作業です。
この記事では、そんな床面処理やコバ磨きのやり方などを紹介していくので、参考にしてみてください。
そもそも床面処理やコバ磨きとは?
床面処理やコバ磨きとは、革の床面(裏面)やコバ(断面)のざらざら感をなくして滑らかにすることです。
革はそのままの状態だと、床面やコバが毛羽立ちざらざらしています。
毛羽だった状態で使うと摩耗するのが早くなってしまい、傷みやすくなる原因になります。
また、毛羽立っていると床面やコバの見た目も悪いです。
革の耐久性や見た目をよくするためにも、床面処理やコバ磨きをすることはとても大事な作業になります。
床面処理やコバ磨きに必要な3つの道具
床面処理やコバ磨きに必要になる道具は、この3つです。
トコノールを床面やコバに塗り、ガラス板やコーンスリッカーで磨いていきます。
革の厚さによってはコバ磨きがスリッカーでやりにくいこともあり、その場合はガーゼや不織布を使って磨くと良いですよ。
次の章で床面処理やコバ磨きのやり方を解説しているので、確認していきましょう。
床面処理のやり方を3手順で解説
- 繊維の方向を確認
- 床面処理剤を塗る
- ガラス板で磨く
床面処理をする手順は、この3つです。
また床面処理は、床面処理剤を伸ばす方向に注意した方がいいと思っています。
床面処理の手順①:革の繊維の方向を確かめる
革には曲げやすい方向があり、この写真では折り目になる部分が繊維の走っている方向です。
この革なら、この矢印の方向に繊維が走っています。
床面処理の手順②:革の床面に床面処理剤を塗る
床面処理剤を塗ったら、それを全体に薄く広げていきます。
へらで伸ばしたり、面倒なら指で伸ばして大丈夫ですよ。
指で伸ばした場合は、磨く前に手を洗っておきましょう。
床面処理の手順③:最後にガラス板で磨く
床面処理剤を伸ばしたら、ガラス板で磨いていきます。
ガラス板がなければ、底が丸みのある小瓶などを使ってもOKですよ。
床面を磨く時の方向ですが、繊維に沿って磨いていきましょう。
繊維に対して垂直に磨いてしまうと、繊維が開いてしまって革に良くないです。
あと、革はパーツごとに切る前に、床面処理をしておくことがおすすめです。
床面処理剤を伸ばしすぎたときなど、カットした後だと銀面(表面)に付着する恐れがありますし、伸びてしまうこともあります。
しかし、革をカットする前に床面処理をしておけば、仮に銀面に付着してもそこを避けてパーツを切り出せばいいので、慣れないうちは最初に床面処理をしておくようにしましょう。
薄い革のコバ磨きやり方2種類
コバを磨く時はコーンスリッカーを使うことが多いですが、薄い革だとうまく磨けません。
そこで、薄い革でもうまく磨くための方法を紹介します。
やり方①:ガーゼを使ってコバ磨きをする
1mm以下の厚さの革のコバを磨く時は、ガーゼや不織布を使うと楽です。
コバに床面処理剤を薄く塗ったら、角がしっかりしている台に乗せ、ふちを合わせてガーゼで磨いていきましょう。
写真は、ゴム板を台として利用しています。
カードポケットや小銭入れのマチの部分などは、このようにして磨くときれいに磨くことができます。
磨く時は、銀面に床面処理剤がつかないように注意しましょう。
やり方②:ミニルーターを使ってコバを磨く
コバ磨き用のビットが売っているので、ミニルーターを利用するのも有効です。
ミニルーターは電動なので、多少楽をしたい場合にいいですよ。
電池式じゃなく、コンセントから電源とるものを利用しないと回転が弱いので注意しましょう。
ミニルーターを使う場合は、薄い革じゃなく厚い革でも有効的磨くことができます。
厚い革や張り合せた革のコバの磨き方
- コバの面取り
- 削って整える
- スリッカーで磨く
コバ磨きの手順は、この3つの流れです。
厚めの革などは磨きやすいですが、磨く前に面取りをしておくと仕上げりが綺麗になります。
ステップ①:ヘリ落としでコバの面取りをする
コバを磨く前に磨くまえに、ヘリ落としを使ってコバの角を落としましょう。
角を落とすことで形が崩れにくくなるので、余裕があれば面取りしておくのがいいですよ。
面取りすると、こんな感じになります。
ステップ②:コバをサンドスティックで整える
1枚の革ならそのまま磨けばいいですが、張り合わせたものは磨く前にサンドスティックで段差を整えることが大事です。
革を張り合わせると段差ができてしまうので、段差をなくすためにもサンドスティックで削って滑らかにしておく必要があります。
段差を整えずにコバ磨きをすると、凸凹が目立つので必ず行いましょう。
ステップ③:床面処理剤を薄く塗りスリッカーで磨く
床面処理剤をコバに塗ったら、スリッカーの溝を押し当て磨いていきます。
単純作業ですが、磨けば磨くほど綺麗になっていくので、楽しく作業ができますよ。
上は張り合わせた革で、ちょっと凹凸が目立ちますが、表面がすべすべして光っているのがわかります。下は未処理のコバです。
スリッカーは長く使うことができるので、自分が気に入ったものを選んでおくと愛着がわいていいですよ。
床面処理やコバ磨きで注意すること
レザークラフトで、床面処理やコバ磨きをする際に注意しなければいけないことがあり、それが銀面に処理剤が付かないようにすることです。
トコノールなどの床面処理剤が銀面に付いてしまうと跡が残り、オイルなどで手入れをする時にそこだけオイルが浸透しません。
見た目が悪くなるので、銀面に処理剤が使にように注意して作業しましょう。
床面処理やコバ磨きのやり方についてまとめ
床面処理は組み立てる前には終わるものですが、コバ磨きは最後の仕上げとして大切な作業です。
コバは目に見える部分でもあるので、しっかりと処理をして綺麗に輝かせられるようにしておきましょう。
そのためにも、必要な道具は揃えておくことが大事ですよ。